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2018年2月23日金曜日

Verigene C. difficileの性能評価・J Infect Chemother




Kosai K, Iwanaga Y, et al. Performance evaluation of the Verigene® Clostridium difficile nucleic acid test, an automated multiplex molecular testing system for detection of C. difficile toxin. J Infect Chemother. 23: 674-7, 2017.




 当教室の小佐井 康介 助教のVerigeneシステムによるC. difficile検出についての論文が日本感染症学会・日本化学療法学会の英文誌であるJournal of Infection and Chemotherapy誌に掲載されました(2017年10月23日付)。
 Verigeneシステムは全自動遺伝子検査システムの一つで、核酸の抽出・増幅・検出を全自動で行うものです。血流感染症の試薬については宇野 直輝 助教が論文にして発表しています(リンク)。血流感染症の試薬は現在保険適用となっており日常臨床で使用することができます。今回は同じシステムを使ってC. difficileの検出について検討しました。培養検査法での検出を基準とした場合に、2種類の抗原検査法ではそれぞれ感度が45.5%と27.3%と低かったのに対して、Verigeneシステムでは感度が93.9%と良好な結果を示しました。
 C. difficileについては本研究で示されたように抗原検査の感度が低いことが問題となっており、海外では遺伝子検査も行われています。日本でも栁原 克紀 教授が副委員長を務める日本臨床微生物学会感染症領域新規検査検討委員会が2017年7月に遺伝子検査の運用フローチャートを公表しており、保険適用となれば臨床において遺伝子検査も活用出来るようになります。

 当教室では、栁原教授森永助教小佐井助教賀来助教の指導のもと、感染症遺伝子検査についての基礎検討および臨床研究を行っています。研究に興味のある方は、いつでもお問い合わせください

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