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2016年10月21日金曜日

エボラウイルス病・臨床病理(総説)




栁原 克紀、佐々木 大介、赤松 紀彦、賀来 敬仁、小佐井 康介. エボラウイルス病(エボラ出血熱). 臨床病理. 64: 1025-1032, 2016.



 当教室の栁原克紀教授のエボラウイルス病(エボラ出血熱)についての総説が、日本臨床検査医学会の機関紙である「臨床病理」に掲載されています(2016年9月付)。この総説では、エボラウイルス病の病原体、感染経路、症状・検査所見、治療および診断のための検査や院内感染対策について解説しています。
 グローバル化に伴って、エボラウイルス病をはじめとした熱帯感染症などが、いつ日本で発生してもおかしくない状況です。発生しないための対策も重要ですが、もし発生した場合にどのような対応をするのかについて検討しておく必要があります。長崎大学病院には第一種感染症病床もありますので、当教室としても検査部門としてどう対応するかを検討しています。

 これまでにブログで紹介した論文一覧はこちら→リンク

2016年10月20日木曜日

太田先生の歓迎会

 先日、10月から検査部に来てくれている太田賢治先生の歓迎会を、研究カンファのメンバーで行いました。

 太田先生は、医学部卒業後は長崎医療センターで初期研修医・後期研修医として過ごし、感染症を専門にやりたいということで長崎大学病院第二内科に入局しました。なので、栁原克紀教授森永芳智助教小佐井康介助教賀来敬仁助教の後輩になります。
第二内科で呼吸器内科医/感染症内科医として研鑽を積んでいましたが、検査部で研究をしたいと病態解析・診断学の大学院生になってくれました。非常に明るく、笑顔で話してくれるのが印象的な先生です。ちなみに、鹿児島のラ・サール高校→九州大学医学部という経歴からも分かるように、かなり優秀です!(→詳しくはこちらのページで

 研究については、賀来助教の指導で、緑膿菌や嫌気性菌を用いた研究を行うようです。今後、どのような研究成果がでるのか非常に楽しみですね!



 長崎大学病院検査部は、さまざまなキャリアを背景にした医師および臨床検査技師が在籍しています。臨床だけでなく、基礎的な研究も積極的に行っていますので、興味がある方は御連絡ください!

 キャリアパスのページ
 大学院生・研究メンバーのページ
 OBコメント(大学院卒業生)



 

2016年10月11日火曜日

第3回日本HTLV-1学会学術集会


82628日に開催されたHTLV-1学会の参加報告です。

長崎においても患者数の多い、ATLの原因ウイルスであるHTLV-1の学会が鹿児島で開催され、今回は長谷川講師と佐々木主任技師が参加しました。
学会会場は、HTLV-1の研究者・臨床医・検査技師・患者さんなど多くの方が参加されていました。ポスター発表の場では、設けられた時間が足りないほど質疑応答が活発に行われており、HTLV-1を研究されている方の熱意が伝わってくるようでした。

佐々木主任はATLにおけるCCR4遺伝子変異について、長谷川講師は新規経口HDAC阻害剤についてポスターを展示しました。その後の懇親会では、鹿児島の名物や地酒などが振る舞われ大変賑やかな会となりました。

基礎研究から症例報告まで、とても充実した内容の3日間でした。
来年は大阪で開催されます。

2016年10月4日火曜日

カルバペネム耐性Aeromonas・Jpn J Infect Dis (short communication)



Murata M, Morinaga Y, et al. The rapid induction of carbapenem-resistance in an Aeromonas dhakensis blood isolate. Jpn J Infect Dis. 69: 439-41, 2016.(リンク)






  微生物検査室所属で、当教室の大学院生でもある村田美香技師のカルバペネム耐性Aeromonas属についての論文が、Short communicationとして国立感染症研究所が発行する英文誌Japanese Journal of Infectious DIseases (JJID)に掲載されました(9月21日付)。

 Aeromonas属菌は、熱帯及び亜熱帯地域の開発途上国で多く分離される菌ですが、国内でも散発的に分離されています。当教室でも、森永芳智助教が原著論文として2編発表しています(Morinaga Y, et al. Diagn Microbiol Infect Dis. 2013)(Morinaga Y, et al. Tohoku J Exp Med. 2011)。本菌は染色体性にcphAimiSのようなカルバペネマーゼ産生遺伝子を保有しているため、カルバペネム系抗菌薬での治療には注意が必要となります。しかし、日本ではその認知度が低く、適切な治療がされていない場合があります。本論文では、カルバペネム系抗菌薬による治療中にカルバペネム耐性を獲得したAeromonas dhakensisの一例を報告しています。

 当教室では、感染症遺伝子検査室を設置し、臨床で分離された菌の遺伝子解析や疫学解析を行っています。また、臨床検査技師の大学院生も多く所属し、研究を行っています。当教室での研究内容に興味のある方は、お問い合わせください


 これまでにブログで紹介した論文一覧はこちら→リンク


2016年10月1日土曜日

日本臨床検査自動化学会第48回大会@横浜

9月22日〜24日にパシフィコ横浜で開催された日本臨床検査自動化学会第48回大会に栁原教授宇野助教賀来助教の教官3名、検査技師は臼井主任西村技師、海端技師、碇技師、岩永技師の5名の合計8名が参加してきました。

 医学の中でも臨床検査医学は最も自動化が進んだ領域になります。日本臨床検査自動学会と同じ時間帯には、パシフィコ横浜展示場でJACLaS EXPOという臨床検査機器・試薬・システム展示会が開催されており、学会規模および参加人数もかなり大規模な学会になります。臨床検査の自動化については、血液・生化学などの血液検体を扱う分野が最も進んでいて、検査結果を迅速に出すことおよび標準化に貢献しています。近年では、微生物検査の分野でも自動化機器が登場してきており、これからも発展していくと考えられています。そのため、今回はサテライト検査室の臼井主任、海端技師、血清室の西村技師だけでなく、微生物検査室の碇技師、岩永技師も発表を行いました。また、宇野助教賀来助教もランチョンセミナーやシンポジウムの講演を行いました。

 また、本学会に応募された演題の中から特に優秀な演題に送られる「優秀演題賞」に西村技師が選ばれました。西村技師は血清室で行っている梅毒検査の生物学的偽陽性についての検討で受賞しました。また、社会人大学院生として積極的に研究をしており、ASM microbe2016でも発表をしています。

これまでの国内学会報告は→リンク
当ブログで紹介した受賞報告はこちら→リンク


               右上:懇親会の様子、左下:同時開催のJACLaS EXPO
               右下:大会長の康先生から表彰状を受け取る西村技師