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2017年3月29日水曜日

第8回長崎臨床検査Reversed-CPC(R-CPC)研究会

 3月25日(土)に、長崎大学医学部良順会館で第8回長崎臨床検査Reversed-CPC(R-CPC)研究会を開催しました。

 R-CPCの1症例目の担当は長崎大学病院の碇技師で、粟粒結核の症例でした。血液検査データは非特異的で他の疾患との鑑別が難しく、大変有意義なディスカッションができました。また、2症例目は長崎大学病院の森技師が担当で、溶血性尿毒症症候群の症例でした。こちらも様々な観点から意見が出ており、追加検査などの結果から多くの班が答えまでたどり着いていました。どちらの症例も、積極的な話し合いが行われており、とても有意義な会になったと思います。

 特別講演は、産業医科大学病院臨床検査・輸血部教授 竹内 正明先生をお招きし、「心エコーの精度管理の現状と将来」というタイトルでお話をしていただきました。

 次回開催については、詳細が決まりましたら検査部のホームページやFacebookでお知らせいたしますので、是非ご参加ください。
 初めての方や研修医・学生も大歓迎です。参加の連絡は不要ですので、お気軽にお越しください。

これまでのR-CPCの報告は→リンク



2017年3月28日火曜日

血液培養検査推進キャンペーン・環境感染誌(原著論文)

塚本千絵、小佐井康介、志岐直美、寺坂陽子、今村政信、賀来敬仁、田代将人、塚本美鈴、栗原慎太郎、泉川公一、迎寛、栁原克紀. 当院における血液培養検査推進キャンペーンとその効果. 環境感染誌. 31 (4): 241-246, 2016


 当検査部の生理機能検査室所属の塚本 千絵 技師がICT活動を行っていたときの検討が、日本環境感染学会の学会誌である日本環境感染学会誌に原著論文として掲載されています。

 本検討では、当院で行った「適切な血液培養検査の推進キャンペーン」とその効果について評価をしました。キャンペンの結果、2009年と2014年を比較すると、血液培養の提出セット数は3,168から4,920に増加し、複数セット採取率は、入院/外来の30.6%/43.0%から73.3%/85.7%まで増加しました。一方でコンタミネーション率は3.5%から2%後半まで低下しています。
 本検討から、複数の推進活動を組み合わせて継続的に実施することで、現場の医療従事者に適切な血液培養検査の考え方が浸透することがわかりました。なお、セット数および複数セット採取率は、2015年以降も増加しています。

 これまでに紹介した論文は→リンク

HTLV-1/2抗体測定試薬の検討・医学検査(原著論文)

園山里美、宇野直輝、岡田侑也、川良洋城、清水愛李、佐々木大介、長谷川寛雄、栁原克紀. HTLV-1/2抗体試薬「エクルーシス試薬Anti-HTLV I/II」の基礎性能評価. 医学検査. 65 (6) 642-648, 2016.


 当検査部の血清室所属の園山 里美 技師のHTLV-1/2抗体測定試薬についての研究が、日本臨床衛生検査技師会の学術誌である医学検査誌に技術論文として掲載されています。
 本研究では、全自動免疫測定装置の専用試薬として新たに開発されたHTLV-1/2抗体測定試薬についての基礎検討を行っています。検討した試薬は、電気化学発光免疫測定法を測定原理とするダブル抗原サンドイッチ法を用いた第3世代の試薬であり、従来の試薬との比較では一致率97.7%〜99.8%と非常に良好でした。

 同じ測定項目であっても、検出する原理・機器・試薬が異なれば、検査結果が異なる可能性があります。検査部では、このような基礎検討を行うことで、原理・機器・試薬が変わっても検査結果に影響がないか確認しています。日常臨床で検査結果などに疑問点があるときは、検査部までお問い合わせください。

 これまでに紹介した論文は→リンク

カリウム偽高値の症例・医学検査(症例報告)



生化学検査室所属の伊東 亜由美 技師のカリウム偽高値についての報告が、日本臨床衛生検査技師会の学術誌である医学検査誌に症例報告として掲載されています。本報告では、高カリウム血症が認められた症例について、検査技師がベッドサイドまで行って採血をするときの患者の状態を観察して、過度のハンドグリップによる検査前過程の影響で起こった偽性高カリウム血症であることをつきとめました。
 正確な検査結果を得るための検査前過程の質の確保には、検査部も積極的に関与し、多職種と連携・情報を共有することが重要だと考えられます。

 検査部では、基礎研究だけでなく、このような実臨床での疑問を解決することも重要であると考えています。日常臨床で検査結果などに疑問点があるときは、検査部までお問い合わせください。

 これまでに紹介した論文は→リンク

 

2017年3月27日月曜日

DS-8587の抗嫌気性菌活性・J Infect Chemother(original article)

 北海道大学第一内科の長岡健太郎先生が、当教室に国内留学していた時に行っていた研究が、原著論文として日本感染症学会・日本化学療法学会の英文誌であるJournal of Infection and Chemotherapy誌に掲載されました(2017年2月付)。この研究では、新規のフルオロキノロン系抗菌薬であるDS-8587のマウスにおける体内動態およびFusobacterium necrophorumによる肝膿瘍モデルでの抗菌活性を行っています。マウスモデルでの検討では、DS8587はLVFXよりも有意に生菌数を減少させました。


 当教室では、医師および臨床検査技師の大学院生が、栁原教授小佐井助教賀来助教の指導のもと、感染症マウスモデルを用いた抗菌薬の研究を行っています。研究に興味のある方は、いつでもお問い合わせください


これまでにブログで紹介した論文一覧はこちら→リンク

Fusobacteriumの検出法・Anaerobe(case report)



 北海道大学第一内科の長岡健太郎先生が、当教室に国内留学していた時に行っていた研究が、Case reportとしてAnaerobe誌に掲載されました(2017年2月付)。肺気腫に合併した肺膿瘍からF. nucleatumが検出された2症例を報告しました。また、in vitroの実験結果からColumbiaをベースとした培地よりもBrucellaをベースとした培地を用いるほうがF. nucleatumを検出に有利であることを報告しています。

 当教室では、医師および臨床検査技師の大学院生が、栁原教授小佐井助教賀来助教および微生物検査室の指導のもとで微生物の基礎研究を行っています。研究に興味のある方は、いつでもお問い合わせください


これまでにブログで紹介した論文一覧はこちら→リンク

2017年3月4日土曜日

研修医&学生(2月)

 先日、研修医および学生の送別会(お疲れ様会)が開かれました。2月は、初期研修医1名、クリクラの学生2名、台湾からのリサーチセミナーの学生1名、リサーチセミナーの学生4名と多くの研修医・学生が検査部で実習を行いました。

上(2枚)送別会の様子
左下:ミニR-CPC、右下:リサーチセミナー発表会

初期研修医としては、川原先生が検査部で研修をしました。サテライト検査室では、生化学検査のデータ読みだけではなく、血液標本をみたり様々な検査を経験できたようです。また、生理機能検査室では腹部超音波検査だけでなく、心電図についてもたくさん読影をして自信がついたとのことでした。

 クリクラでは、5年生の草野くんと水野くんがサテライト検査室(血液・生化学)、血清室、遺伝子室、生理機能検査室などで実習を行いました。2人とも遅くまで残って勉強していて、感心しました。また、川原先生と一緒にミニR-CPCの症例について熱心に勉強していたようです。

 リサーチセミナーでは、台湾の高雄大学からリンダさんが来て、宇野直輝助教の指導で一ヶ月間研究を行いました。スタッフ室では大学院生、医学部生、事務員の人たちとも積極的に話をして、仲良くなっていたようです。また、長崎大学医学部の3年生も1月から2ヶ月間リサーチセミナーとして研究を行いました。石毛くんと川口くんは感染症関連の研究、石川くんと坂田くんはHTLV-1関連の研究を行いました。リサーチカンファのときに研究発表会を行いましたが、4人とも立派に発表していました。



当教室では、研修医や学生の実習にも力を入れています。興味のある人は気軽にたずねてください。
以下、リンクです。
検査部ホームページ(学生教育)
検査部ホームページ(初期研修)
検査部ホームページ(後期研修)

これまでの初期研修の記事は→リンク
クリクラは→リンク
昨年の台湾からのリサーチセミナーは→リンク
昨年のリサーチセミナーは→リンク