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2016年10月4日火曜日

カルバペネム耐性Aeromonas・Jpn J Infect Dis (short communication)



Murata M, Morinaga Y, et al. The rapid induction of carbapenem-resistance in an Aeromonas dhakensis blood isolate. Jpn J Infect Dis. 69: 439-41, 2016.(リンク)






  微生物検査室所属で、当教室の大学院生でもある村田美香技師のカルバペネム耐性Aeromonas属についての論文が、Short communicationとして国立感染症研究所が発行する英文誌Japanese Journal of Infectious DIseases (JJID)に掲載されました(9月21日付)。

 Aeromonas属菌は、熱帯及び亜熱帯地域の開発途上国で多く分離される菌ですが、国内でも散発的に分離されています。当教室でも、森永芳智助教が原著論文として2編発表しています(Morinaga Y, et al. Diagn Microbiol Infect Dis. 2013)(Morinaga Y, et al. Tohoku J Exp Med. 2011)。本菌は染色体性にcphAimiSのようなカルバペネマーゼ産生遺伝子を保有しているため、カルバペネム系抗菌薬での治療には注意が必要となります。しかし、日本ではその認知度が低く、適切な治療がされていない場合があります。本論文では、カルバペネム系抗菌薬による治療中にカルバペネム耐性を獲得したAeromonas dhakensisの一例を報告しています。

 当教室では、感染症遺伝子検査室を設置し、臨床で分離された菌の遺伝子解析や疫学解析を行っています。また、臨床検査技師の大学院生も多く所属し、研究を行っています。当教室での研究内容に興味のある方は、お問い合わせください


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