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2016年6月28日火曜日

熊本医療支援活動報告②感染対策

この度、熊本県において発生した地震により被災されました皆様に心からお見舞い申し上げます。
震災から二ヶ月以上が過ぎて報道されることは少なくなりましたが、梅雨の大雨などもあり、まだまだ不安な日々を過ごしている方が多くいらっしゃると思います。当教室としても、今後も微力ながら被災した医療機関の支援等を行っていきたいと考えています。


4月下旬〜5月上旬にかけて当教室の医師・臨床検査技師が以下のような活動を行いました。
①日本臨床衛生検査技師会:南技師長、古島技師(生理機能検査室)、海端技師(サテライト検査室)
②長崎大学医療支援チーム(第6陣):賀来助教
③日本環境感染学会:栁原教授、木村主任(生理機能検査室)、川元技師(微生物検査室)

今回は、②長崎大学医療支援チームと③日本環境感染学会の派遣として行った被災地における感染対策についての活動報告です。



 賀来助教は、阿蘇地域災害保険医療復興連絡会議(Aso Diaster Recovery Organization:ADRO)の感染症対策チーム(ICT)リーダーとして、阿蘇市、南阿蘇村、西原村の医師リーダーや保健師と連携して、避難所における感染対策にあたりました。ADROは被災地の避難所で活動している保健師さんをサポートする組織です(詳細はリンク参照)。基本的にはADRO本部で全体のマネージメントに関わる仕事をする予定でしたが、現場からの要望で阿蘇市、南阿蘇村、西原村の避難所まで行って、避難所を担当している保健師の相談にのったりなどしている時間が長かったようです。避難所によって断水したままのところや収容人数が多く発熱や下痢などの症状がある人を保護する場所の確保が難しいなどさまざまな状況があったとのことです。ADRO ICT活動の詳細については、長崎大学感染制御教育センターの泉川教授(当教室のOBです)のインタビュー記事をみてください(リンク)。

 また、栁原教授、木村主任、川元技師は日本環境感染学会からの派遣で被災地での感染対策の現状などを視察しました。阿蘇地域では、ADRO ICTとして活動していた賀来助教と合流し避難所の現状をみました。また、その後は熊本大学病院や建物が大きな被害を受けた熊本市民病院で現地の先生や医療スタッフなどの意見を聞き、今後の被災地での医療支援について日本環境感染学会へ報告したとのことです。また、熊本大学呼吸器内科から当教室に国内留学していた右山先生とも再会し、熊本市内の避難所の状況なども視察したとのことです。






(左上)ADRO本部で引き継ぎをする賀来助教
(右上)避難所を訪問して状況を確認
(左下)避難所での手洗いについての張り紙
(右下)栁原教授、木村主任、川元技師と現地の先生方